2026.09.01
不動産売却のご相談をいただくと、私たち不動産会社は、まずその家についていろいろなことを調べます。
土地や建物の広さ、築年数、間取り、道路の状況。そして、いくらくらいで売却できそうなのか。
不動産を売るためには、どれも大切なことです。
でも、長くこの仕事をしているうちに、私は少し違うことも考えるようになりました。
家って、本当に「物」としてだけ考えていいのだろうか。
たとえば30年間暮らしてきた家も、販売資料にすれば「築30年の中古住宅」です。
でも売主様にとっては、当然それだけではありません。
子どもが生まれ、庭で遊び、家族で食卓を囲み、やがて成長した子どもたちが巣立っていく。
その間ずっと、ご家族の生活を支えてきたのが、その「家」です。
売主様とお話をしていると、
「この庭は主人が好きでね」
「子どもが小さい頃は、この部屋をこう使っていたんですよ」
そんな話を聞かせていただくことがあります。
こうした話は、不動産の査定価格には直接関係しないかもしれません。
でも私は、結構大事な話だと思っています。
もちろん、不動産屋ですから、少しでも良い条件で売却することは大前提です。
ただ、価格を査定して、広告を出して、買主様が見つかったら契約して終わり。
私は、それだけの仕事にはしたくありません。
売主様にとって長年生活を支えてくれた家が、今度は買主様の新しい生活を支える家になる。
売主様の「これまで」から、買主様の「これから」へ。
不動産売買には、そんな一面もあると思っています。
私たちM-andが掲げる、
「安心でつなぐ住まいのバトン」
という理念は、そんな思いから生まれました。
次回は、私が家の売却をお手伝いするときに大切にしている「売主様から家の物語を聞くこと」について書いてみたいと思います。