2026.09.19
第8話 売却価格から差し引かれる税金と費用
売却価格の見通しが立っても、その金額がすべて相続人の手元に残るわけではありません。相続した不動産を売却して利益が出れば、譲渡所得に対する税金を検討する必要があります。先代が購入したときの契約書が見つからず、取得費が分からないことも珍しくありません。
自分が住んでいた家ではないため、自己居住用の特例をそのまま使えるとは限りません。相続した空き家について利用できる制度もありますが、建物の築年数や利用状況、売却時期などの要件があります。税金については、物件ごとに税理士や税務署へ確認することが大切です。
さらに、行政書士への許可申請費用、測量や分筆、相続登記、残置物の撤去、建物の解体などが必要になる場合もあります。古い家だから解体して更地にすればよい、と簡単には決められません。解体後の利用や再建築、固定資産税への影響まで確認して判断する必要があります。
私がお伝えしたいのは、査定額の高低だけで不動産会社を選ばないでほしいということです。「いくらで売れるか」と同時に、「売るまでに何が必要か」「最終的にいくら残るのか」まで考えてくれるか。それが重要です。
調査内容と費用の可能性を説明し、売主様と相談したうえで、ようやく売却活動の方針が決まりました。ここから、この家の条件と物語を受け止めてくださる買主様を探します。
次回へ続く。