2026.09.26
第3話 覚えているのに、なぜ間違える?
私はAIに確認しました。
「購入反響メールの件名について、以前決めたルールを覚えていますか?」
するとAIは、正確に答えます。
「はい。件名は【お問い合わせ物件名】お問い合わせについて、に統一するルールです」
合っています。
では、なぜ先ほど作ったメールでは、違う件名にしたのでしょうか。
私は、そこが理解できませんでした。
「覚えているのに、なぜ間違えるんですか?」
人間であれば、まだ分かります。
ルールを知っていても、忙しくて確認を忘れた。
別のことを考えていて、うっかり間違えた。
しかし、相手はAIです。
疲れているわけでもなければ、電話に気を取られていたわけでもありません。
ルールを質問すれば、きちんと答えられる。
それなのに、実際の文章を作ると、そのルールを外してしまう。
私には、それが大きな矛盾に見えました。
AIからは、いろいろな説明が返ってきます。
「ルールは残っていても、今回の回答でうまく拾えない場合があります」
「一般的によく使われる表現を優先してしまうことがあります」
「複数の条件の中で、一部の条件が弱く反映されることがあります」
説明を聞けば、何となく仕組みは分かります。
しかし、不動産の仕事でお客様に送るメールは、AIの仕組みを理解するための実験ではありません。
実際にお客様へ届く文章です。
そのため、私が知りたいことは一つでした。
「では、次から本当に間違えないのですか?」
この質問に対して、AIはなかなか「絶対に間違えません」とは言いません。
この頃から私は、AIが思っていたよりもずっと人間くさい存在に見え始めました。
次回へ続く。