2026.10.07
第2話 裁判所の資料には増築と書いてある
今回の調査には、もう一つ難しい事情がありました。
競売に関する資料を読み解く必要があったのです。
通常の売却相談なら、所有者様に「いつ増築しましたか」「当時の図面はありますか」と尋ねられます。しかし今回は、建物の歩みを直接、十分に聞き取ることが難しい状況でした。
頼りとなるのは、登記や行政の記録、裁判所の資料、そして現地です。
資料を読み進めると、登記されている床面積より、現況の床面積が約7㎡大きいことが分かりました。裁判所の資料では、その差を「増築」と捉えていました。
約7㎡。畳に換算すれば、およそ4畳ほどです。
「この部分を後から広げたので、建ぺい率を超えたのだろうか?」
一見、筋の通った説明です。
けれど、「登記より広い」という事実と、「後から増築した」という経緯は、同じではありません。
この7㎡は、いつ、どこで生まれたのか。
建物の謎は、面積の差へと広がっていきました。
次回へ続く。